仕事上のお金の悩み

モデルの衣装を汚したのでロレックス売って弁償!その時の激おこモデルが今の嫁

これはオレが数年前(当時は27歳)でスタイリストのアシスタントのバイトしてた時の話なんだけど、今だから笑い話で弁償したことを語れるんだよね。

もともと腕時計が好きでロレックスのサブマリとエクスプローラー2を持ってたんだよね。※フリーター生活が長かったけど掛け持ちでバイトしまくってたから同じ20代のサラリーマンよりは月収は多かったと思うよ。

でもその時は出費が重なっててロレックスでも売らなきゃ弁償できなかったんだよね。

美人が集まるバイトがあるけどどう?

そんなある日、コンビニにも並んでいる某雑誌の撮影を知り合いのスタイリストが担当することになったみたいで、その人もかなり気合入ってたらしくいつもよりアシスタントの人数を増やして対応したいって言ってたっけ。

それで「バイトに来ない?」と誘いが来たんだよね。でも、他のバイトもいろいろやってたし借金もなくてお金にはそんなに困ってなかったから「無理かもです」ってそっけない返事をしたんだ。

じゃあその後に「◯◯ってモデル知ってる?」って言ってきて、名前聞いたら超有名人!「その子も今度の撮影に来るんだけどどう?」って言われたから即答で「行きます!」ってなったんだよね。

もちろん腕にはロレックスの黒サブ(黒色のサブマリーナ)をつけて精一杯のオシャレで挑んだわけさ。この時はまさかこの愛するロレックスを売って弁償する事になるとは思ってもなかったね。

スタイリストの職場は甘い世界じゃなかった

知り合いのスタイリストのアシスタントということで行ったんだけど、とてもゆっくりモデルを見れるような現場じゃないw

ハッキリ言って「騙されたぜ・・」ってのが感想w

それにロレックスでもしとけばモデル受けも悪くないとバカみたいな事も考えてたっけw(どのスタッフもロレックスとかパネライとか当たり前にしてた。。。)

 

いざ撮影が始まると、雑用専門のオレは皆と違うフロアーに移動させられて支持されたケースを持ってひたすら走り回るのみ。仕事はハードで次から次にトラックから衣装ケースも運ばなきゃいえないし、運んだらそれをひたすらハンガーにセットする流れ。

もう半端ない量なんだけど、こりゃ着替えるモデルも大変だな・・・とかっこ良くロレックスをはめた左腕を曲げて時間チェック!「なんだ、昼飯抜きでもう15時かよ」といらつき、そのちょっとした空き時間で缶コーヒーを飲もうとしたんだよ。

 

これが悪夢の始まりだった。

衣装ケースの上にコーヒーを落としたよ しかも蓋がないケースにね

コーヒーをすすりながら左腕のロレックスに目線を落とし「今日もロレックスは光ってるな〜」なんて油断した瞬間だったね。そう、気が緩んだ瞬間にコーヒー持ってた手が滑って缶コーヒーを衣装ケースの上に落としたんだよ。

しかもこれから使う予定のケースを置いてる場所だったから衣装ケースの蓋を外して積み重ねてるやつの一番上に・・・人間、こんなシーンでも最初は笑ってしまうもんだね。真っ白なワンピースがよりによって一番上に置いてるんだから、「なんて日だ!」ってギャグが頭によぎったくらいだもん。

すぐにアシスタントバイトに呼んでくれた知り合いを見つけて汚したことを伝えたら表情が一変して青ざめてた。「これ、モデルさんがお買い上げした衣装だから弁償物だよ。」って。

おとなしそうな美人モデルがスーパー激おこモデルに変身

知り合いと2人でモデルと雑誌の担当者に事情説明とお詫びをするためにダッシュした!運が良かったのは雑誌の担当は「白は多分使わないからうちは問題ないです」となったこと。あとはモデルだ!

「マジでありえないんだけど、もう購入済みで支払い終わってんだけど」(ちなみに、このモデルは雑誌とかで有名じゃないよ。)これが激おこしたモデルの第一声!

「すいません。弁償させていただきますから・・・代金を教えていただけませんか・・・?」

弁償するワンピースの代金にびっくりしたね

バツがわるそうに、衣装担当のプレス?!さんが「けっこうしますよ。だいたい20万円くらいですよ。」と・・・。マジか!!!!!そんなワンピースが世の中にあるのか。。。てっきり高くても2万ちょっと弁償すればいいくらいに思ってた。

薄っぺらい布でなんでオレの想像の10倍もするんだ!!こんなのユニクロでも置いてそうじゃん!そう思ったけど、死んでも口には出せないのでとりあえずバイトを紹介してくれた人の立場もあるから即答で「明後日の月曜日に弁償します。それでも構いませんか?」と言ってみた。

この頃、ちょうど車を買い換えて引越しもしたばかりでハッキリ言って貯金が無かったw でも心の奥底にロレックスを売れば・・・という保険があったから言えたんだと思う。

オレのロレックスサブマリーナはわずか20万円に

これ、ロレックスを知ってる人ならありえなくない?と思うはず。そりゃそうだ!実はこれ、バイトを紹介してくれた知り合いが時計を預かる代わりに弁償のための20万円を出し替えてくれたんだよね。この時は「超良い人だ!こういう人が大人なんだな」と惚れ惚れしちゃった。

てことで、新品で80万円ほどだったロレックスはひとまず20万円で売却したカタチになった。「ロレックスは返済が終わるまでたまに使わせてほしいけどいいかな?」という提案だったけど、いずれ手元に戻ることを考えたらこんなに良い話はないから2つ返事でOKしたよ。

 

お人良しかも。

ロレックスとともに消息不明となった知人

後にこのバイトを紹介してくれた知人はオレのサブマリーナちゃんとともに消息不明となった。1〜2ヶ月のうちにとっとと建て替えてもらった弁償費用を返済しなかったオレも悪んだけど。。

この人、プロのサーファーを目指してオーストラリアに行ったとか、震災復興のために東北に行ったとか、聞く人全員が違うことを言うからかなり怪しい感じ。そう見えなかったのにな。

縁が切れた人と縁ができた人

でも人生は不思議なもので、その弁償の時に怒ったモデルが実は今はオレの奥さんなんだよね。あの時、すぐに弁償をしたのが好印象だったそうで、向こうから「あの時はカッとなって失礼な事を言いました。すいません。」と連絡が来たんだよね。

その後も、撮影現場で3回ほど顔を会わすことがあり、LINE交換したことがきっかけで1年後に付き合うことになり、結婚することに。

「すぐに弁償するって言って頭を下げてくれたのが印象が良かった」らしい。

まあ、頭を下げるのは昔から得意だったからねw

それに・・・ひょっとすると弁償を逃れられるかも?!的な思いもあったかもw(これは墓場まで持ってく話だね。)

 

それにしても人生、何があるかわからないもんだけど、やっぱり今でも悔やむのは20万円の弁償のためにロレックスを失ったこと。あんなことになるなら、多少の利息払ってでもちゃんとしたところで金を借りた方が良かったな・・・と思う。